目的・機能:育苗期間と移植後を区別しつつ、育苗コストも含めて収支管理する
栽培履歴や農薬カウントなど
育苗期間と移植後を区別して
記録を管理する方法をここではご紹介します。
さらに、こちらの記事でご紹介する方法は
育苗期間の労務費や農薬費などのコストを
『使った育苗箱の数』をもとに移植後のコストに算入して
育苗から収穫までトータルで支出を管理する方法となります。
この記事で説明する方法で以下のことが可能になります。
- 移植時に苗の使用量を記録する
- 育苗期間と移植後で区別して、作業進捗を管理する
- 育苗期間と移植後で区別して、農薬などの使用量や使用回数を設定する
- 育苗期間と移植後で区別して、農薬などの使用量や使用回数を集計する(※1)
- 育苗期間と移植後で区別して、農薬制限のアラートを表示させる(※2)
- 育苗期間と移植後で区別して、コストを集計する(※3)
- 『使った育苗箱の数』をもとに苗の単価を算出する
- 育苗期間にかかったコストを移植後のコストに算入する(※4)
※1:育苗期間~移植後を一貫して、農薬などの使用量や使用回数を集計・確認することはできません。
※2:育苗期間~移植後を一貫して、農薬制限のアラートを表示させることはできません。
※3:圃場ごとに育苗期間のコストを割り振ることはできません。
※4:すべての作付の支出合計では、育苗期間のコストが二重計上されます。
ほかの育苗管理の方法はこちら
「【目的から探す】育苗管理をしたい(育苗コストを算入しない)」
「【目的から探す】育苗管理をしたい(作った育苗箱数をもとに育苗コストを算入)」
ポイント:『作った』育苗箱数と『使った』育苗箱数
育苗コストを移植後のコストに算入する方法では
『作った』育苗箱数を用いて計算する方法と
『使った』育苗箱数を用いて計算する方法があります。
2つの方法の差は、使わなかった育苗箱があったときに表れます。
例えば、10万円のコストで育苗箱を100箱作って、98箱使った場合
2つの方法それぞれの育苗箱1箱あたりのコストは以下の通りです。
『作った』育苗箱数を用いて計算する方法
100,000円 ÷ 100箱 = 1,000円/箱
『使った』育苗箱数を用いて計算する方法
100,000円 ÷ 98箱 ≒ 1,020円/箱
育苗コストがかかったにも関わらず、
使用されなかった育苗箱2箱分のコストを
移植後のコストに算入しない場合は『作った』育苗箱数で計算し、
移植後のコストに算入する場合は『使った』育苗箱数で計算します。
2つの方法では、育苗箱の単価設定と、移植作業の記録の手順が
逆になりますのでご注意ください。
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概要
アグリノートの記録方法を工夫することで、
育苗期間と、移植後期間で区別して情報を管理できます。
以下のように、育苗期間と移植後の記録を分けて管理します。
期間 | 圃場 | 作付 | 資材 |
---|---|---|---|
育苗期間 | 育苗施設 | コシヒカリ_2021_育苗 | - |
移植後 | (移植先の圃場) | コシヒカリ_2021 | コシヒカリ_苗 |
移植の作業が終わったら、
育苗期間にかかったコストを『使った』苗箱(苗)の数量で割ると
苗箱1箱あたりのコスト単価が確認できます。
そのコスト単価を、
資材として登録した苗箱の単価に設定します。
移植時に使用した苗箱の数量が記録されているので
数量と単価からその圃場あたりにかかった育苗コストが算入されます。
イメージ
- 作付「コシヒカリ_2021_育苗」にかかったコストが100,000円
- 「移植」の作業記録で、使用した資材「コシヒカリ 苗」の数量を記録する
- 使った苗箱は98箱
- 苗箱1箱あたりのコスト= 100,000円 ÷ 98箱 ≒ 1,020円/箱
- 資材「コシヒカリ 苗」の単価を1,020円/箱に設定する
- 育苗コストが移植後の栽培の支出に算入される
育苗期間に必要となる設定と記録
まずは育苗を行う場所を登録します。
例:圃場設定で「育苗施設」を作成します。
- 育苗施設(ハウスなど)の場所を登録します
- 圃場名をわかりやすくしておきましょう
例:「育苗施設」
圃場の登録方法は「ブラウザ版 基本設定02 圃場」をご確認ください。
次に育苗する作目・品種の登録をします。
作付設定で作付「コシヒカリ_2021_育苗」を作成します。
- 作付名は育苗期間のものであることがわかるようにしましょう
例:「コシヒカリ_2021_育苗」 - 作目は移植後の作付と揃えて設定しましょう
例:「水稲」(栽培するものと同じ) - 作付の作業期間に育苗期間の日付を設定しましょう
『作付』>『栽培計画』>『作付設定』
作付の登録方法は「ブラウザ版 基本設定01 作付」をご確認ください。
移植後に必要となる設定
移植作業の記録をつけるときに使う資材を登録します。
資材設定で「苗」を登録しておきましょう。
例:「コシヒカリ_苗」を作成
資材名「コシヒカリ_苗」、グループ「苗」、使用単位「箱」など
資材の登録について詳細は「ブラウザ版 資産・人-設定04 資材」をご確認ください。
作業記録で移植(定植・田植え)を登録するときの手順
移植作業の作業記録を登録する手順を説明します。
作業記録画面に移動して下記の情報を登録しましょう。
- 作業項目:移植
- 作付 :移植後の作付 (例:「コシヒカリ_2021」)
- 圃場 :移植先の圃場
- 資材 :苗 (例:「コシヒカリ_苗」)
数量は、その圃場で使った苗床(苗箱)の数などを登録すると良いでしょう
資材「苗」の単価の算出と設定
記録を見る画面にて、移植作業で使った育苗箱の数を確認します。
記録を見る画面にて、作付「コシヒカリ_2021」の【農薬肥料資材】をクリックし
『資材』にて集計方法【すべて】での「コシヒカリ_苗」の数を確認します。
育苗期間と移植後を区別した見え方
ここからは記録がどのように集計されるかを紹介します。
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