目的:農薬の適正散布管理を実現したい
【こんな課題が解決できます】
- 使用基準に沿った農薬使用チェックに時間・手間がかかっている
- 作物別の農薬使用基準を把握した上で、作業計画を立てるのが大変
- 農薬散布が収穫予定日に影響しないかの確認が大変
【こんな生産者にオススメ】
- 農薬使用を含む作業計画立案を行う担当者
- 農薬の使用実績を記録・確認する担当者
- 独自の農薬使用基準を持つ出荷先と取引を行う生産組織
アグリノートでは農薬の適正散布において、
散布前の事前チェック、散布後の農薬使用回数・収穫可能日チェックなど、
複数の管理機能で効率的な管理を実現できます。
この記事では農薬の使用実績を管理する方法をご案内します。
- アグリノートでできること
- 事前準備と操作手順
- つまづきやすいポイント
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アグリノートでできること
作業予定から農薬が適正に散布可能か確認できます
作業指示を行うために、作業記録の予定を登録する際、
農薬使用に関する各種アラートを確認することができます。
予定の段階で誤った農薬使用の指示を防止することができます。
【パソコンブラウザ版】
作業前に、使用制限を設定している作付・圃場・農薬で、
作業記録の予定を登録することで以下のアラートが表示されます。
- 使用回数アラート
- 希釈倍数アラート
- 散布液量アラート
- 使用量アラート
参照:「ブラウザ版 記録編01 作業記録-基本情報」
参照:「ブラウザ版 記録編01 作業記録-付加情報」
※ 農薬制限アラートの表示条件・表示内容は、『つまづきやすいポイント』で後述します。
ポイント:作業記録画面で確認する農薬制限アラート
作業記録画面で農薬制限アラートが表示されるのは、パソコンブラウザ版のみとなります。
作業記録の実績として登録するときにも農薬制限アラートは表示されますが、
農薬使用後に過剰使用に気づくことになります。
作業前に作業予定を登録して確認する方法が望ましいでしょう。
パソコンブラウザ版で作業記録の予定を保存しておくことで、
作業記録の予定を実績に切り替えるだけで記録が完了するため、
作業後の記録づけにかかる手間が軽減されます。
圃場別農薬使用一覧から農薬、成分の使用回数と農薬制限アラートを確認できます
農薬の使用回数と基準を超えていないかを、
圃場一覧から確認することができます。
作業の予定立案時や、作業後の記録時に確認しましょう。
【パソコンブラウザ版】
【進捗】画面>【農薬使用回数】【一覧】表示では、
作業記録をつけるだけで、農薬の使用回数を一覧表で確認できます。
農薬の使用基準を設定すると、各種アラートを一覧表でも確認することができます。
ポイント:進捗画面で確認する制限アラート
進捗画面は情報が多いので、画面左側のフィルター機能で情報を絞り込みしましょう。
一覧表で表示される使用回数アラートは以下の3種類です。
▲ :注意
使用回数制限の上限に達した場合や入力方式が判定に対応していない場合など、
直ちに違反ではないが次回の農薬使用等に注意を要する状態。
農薬の使用基準は、作付設定の『栽培計画』で設定できます。
■ :警告
回数制限の超過や、使用量・希釈倍数などが設定した制限に違反している状態。
農薬の使用基準は、作付設定の『栽培計画』で設定できます。
● :情報
収穫前日数の表示など、インフォメーション
農薬散布前、散布後に収穫可能日を確認できます
農薬には使用後に一定期間収穫できないものがありますが、
農薬の使用履歴から収穫可能日が算出・表示されます。
収穫可能日を確認し、収穫予定日を検討しましょう。
【パソコンブラウザ版】
作業記録の予定を登録する際に、農薬の使用履歴を元に収穫可能日を表示します。
収穫の予定を作業記録として登録する際に注意することができます。
参照:「ブラウザ版 記録編01 作業記録-基本情報」
参照:「ブラウザ版 記録編01 作業記録-付加情報」
※ 使用制限アラートの表示条件・表示内容は、『つまづきやすいポイント』で後述します。
ポイント:作業記録画面で確認する収穫可能日アラート
作業記録画面で農薬制限アラートが表示されるのは、パソコンブラウザ版のみとなります。
農薬使用の作業記録の実績の作業日を元に、収穫可能日を算出します。
農薬使用の作業記録の予定からは、収穫可能日は算出されません。
【パソコンブラウザ版】
【進捗】画面>【農薬使用回数】【一覧】表示では、
作付・圃場ごとに収穫可能日を一覧表で確認できます。
ポイント:進捗画面で確認する収穫可能日アラート
進捗画面は情報が多いので、画面左側のフィルター機能で情報を絞り込みしましょう。
農薬使用の作業記録の実績の作業日を元に、収穫可能日を算出します。
農薬使用の作業記録の予定からは、収穫可能日は算出されません。
収穫可能日が過去の日付の場合、日付は表示されません。
事前準備と操作手順
方針:作付の農薬使用基準に沿って、作業指示・実績の確認を行いましょう
<運用準備>
- 制限したい農薬を、作付ごとにリストアップしましょう
- 作付ごとに栽培計画を設定し、農薬名別に使用基準を登録しましょう
<運用確認>
- 農薬を使用する作業予定をあらかじめ登録し、
予定使用量に対する基準値チェックを実施しましょう - 記録を振り返って、農薬の使用量・希釈倍率が適切か確認しましょう
- 進捗メニューから、農薬の希釈倍数・使用回数・収穫可能日が適切か確認しましょう
<データイメージ>
作付設定を行いましょう
<ポイント>
- 農薬制限機能を有効にするために必ず作目を設定しましょう
(農薬データベースに登録されている使用基準は、作目別に参照しています) - 必要に応じて「作付グループ」を設定し、任意の作付をまとめましょう
圃場と作付を関連付けしましょう
<ポイント>
- パソコンブラウザ版では、圃場設定、作付設定の両方から関連付けを行うことができます
- モバイルアプリ版では、圃場設定で関連付けを行うことができます
- 来年の作付を行うときは、新しい作付設定を追加し、既存の圃場に関連付けてください
農薬設定を行いましょう
<ポイント>
- 農薬情報を検索し、農薬データベースから選択しましょう
(農薬データベースの使用基準を適用するため、必ず検索から登録してください) - 必要に応じて「農薬グループ」を設定し、農薬の作付をまとめましょう
作付設定の栽培計画から農薬の使用基準値を設定しましょう
作付設定>栽培計画>『農薬』欄の【+選択】で、
制限したい農薬を選択し使用基準のそれぞれの値を入力しましょう。
<ポイント>
- 設定に問題がなければ、農薬の使用基準値は自動的に反映されます
- 農薬の使用基準値は、編集することができます
作業実施前に作業予定を登録し、使用基準判定を確認しましょう
<ポイント>
- 作業に使用する予定の農薬と、その使用量・希釈倍数を登録します
- 選択した作付・圃場に対するその農薬の使用基準の判定が、
以下の項目について表示されます
・「収穫可能日」
・「希釈倍数」
・「農薬使用量」
・「使用回数」
・「散布液量」
(表示内容については「つまづきやすいポイント」で後述します)
※農薬制限アラートはパソコンブラウザ版でのみ表示されます
参照:「ブラウザ版 記録編01 作業記録-付加情報」
作業後に作業記録の実績を登録しましょう
<ポイント>
- 【06】予定登録の際に農薬の使用基準の判定を確認し、
予定通りに作業を行った場合は予定を実績に変更します - モバイルアプリ版では農薬制限のアラートは表示されませんが、
農薬使用基準に違反しない予定が登録されていれば、
モバイルアプリ版でも農薬の使用基準に準拠した作業実績を残すことができます
進捗画面の【農薬使用回数】【一覧】表示で確認しましょう
<ポイント>
- 進捗画面にて農薬の使用実績を確認することができます
- 作業の予定・実績による「希釈倍数」「農薬使用量」「使用回数」「散布液量」の判定を確認しましょう
- 「収穫可能日」を確認し、収穫予定日が適切かを確認しましょう
以上の操作で、前述の「アグリノートできること」の操作や情報閲覧ができるようになります。
つまづきやすいポイント
農薬に関するエラー表示
作付設定>栽培計画選択した農薬名の下にエラーが表示された場合は、
以下のことを確認してください。
- エラー:作付に作目が登録されていません。
<作付設定>
使用基準がデータベースから反映されませんので、作目を選択してください。
- エラー:◯◯に対する登録情報が見つかりませんでした。
<農薬設定>
農薬設定で農薬を検索する際に、誤った農薬を選んでいないか確認してください。
農薬のパッケージに記載の「登録番号」で検索すると簡単・確実に選択することができます。
<作付設定>
作付設定の作目が適切か、確認してください。
農薬によっては、より細かい分類である作目を選択することで適用となる場合があります。
例:稲の場合
・農薬Xの適用作物は「水稲」「移植水稲」「直播水稲」である
・農薬Xの適用作物に「陸稲」は含まれない
→「陸稲」が適用外であることから、これらの大分類である「稲」も適用外となります。
- エラー:登録が失効しています。
農薬データベースが更新されて、
栽培計画に登録済の農薬が農薬データベースから除外された場合に表示されます。
アグリノートに設定済みの使用基準の設定値は消えることはなく、
【基準自動設定】ボタンをクリックすると最終の基準値が反映されます。
- エラー:登録情報の更新がありました。
<作付設定>
農薬データベースが更新されて、
栽培計画に登録済の農薬の基準値が変わった場合に表示されます。
使用基準の設定値は自動反映されませんが、
【基準自動設定】ボタンをクリックすると最新の基準値が反映されます。
農薬制限アラートの表示条件
作業記録の作成画面での農薬制限アラートの表示条件・表示内容は以下の通りです。
- 収穫可能日
使用制限を設定している作付・圃場・農薬を、作業記録で選択すると以下のように表示されます。
・圃場選択枠下 『圃場A :★年★月★日以降(●年●月●日に農薬X (収穫前日数=▲日) を使用)』
・農薬選択枠下 『収穫前日数 :▲日前まで』
過去に、使用制限を設定している作付・圃場・農薬が選択された作業記録が登録されていると、
新たな作業記録で同じ作付・圃場を選択した場合に、
農薬が選択されていなくても以下のように表示されます。
・圃場選択枠下 『圃場A :★年★月★日以降(●年●月●日に農薬X (収穫前日数=▲日) を使用)』
過去に、使用制限を設定している作付・圃場・農薬が選択された作業記録が登録されていると、
新たな作業記録で同じ作付・圃場・農薬を選択したときに、 以下のように表示されます。
・圃場選択枠下 『圃場A :★年★月★日以降(●年●月●日に農薬X (収穫前日数=▲日) を使用)→新しい収穫可能日は◆年◆月◆日以降です』
・農薬選択枠下 『収穫前日数 :▲日前まで』
- 希釈倍数
作業記録で入力された希釈倍率の値が、
栽培計画で設定されている希釈倍数の値未満のときに、以下のように表示されます。
・選択した農薬名下 『希釈倍数が設定値未満です。』
- 農薬使用量
作業記録で入力された10aあたりの農薬の薬量が、
栽培計画で設定されている10aあたりの農薬使用量の値を超過しているとき、
以下のように表示されます。
・選択した農薬名下 『使用量が設定値を超過しています。』
- 使用回数
作業記録で選択され作付・圃場に対して、対象の農薬の使用回数(作業記録の実績の記録回数)が、
栽培計画で設定されている使用回数に達しているとき、以下のように表示されます。
・選択した農薬名下 『圃場Aに対する使用回数が設定値に達します。』
作業記録で選択され作付・圃場に対して、対象の農薬の使用回数(作業記録の実績の記録回数)が、
栽培計画で設定されている使用回数を超過しているとき、以下のように表示されます。
・選択した農薬名下 『圃場Aに対する使用回数が設定値を超過します。』
成分別の使用回数の制限が設定されている場合は、成分別に表示されます。
- 散布液量
作業記録で入力された10aあたりの希釈液の散布液量が、
栽培計画で設定されている10aあたりの散布液量の値を超過しているとき、
以下のように表示されます。
・選択した農薬名下 『散布液量が設定値を超過しています。』
実績登録における適切な使用単位選択
作業記録作成時に使用量の入力欄の下で、以下のように表示された場合、
希釈倍率、農薬使用量、散布液量の使用制限アラートを表示させることができません。
「選択されている入力方式は、量の集計など一部の機能に対応していません。」
「希釈倍数の制限が設定されていますが、入力方式が希釈倍数の判定に対応していません。」
使用制限アラートを有効にするには適切な使用単位を選ぶ必要があります。
作業記録での入力 | 農薬制限アラート | |||||
---|---|---|---|---|---|---|
希釈 | 入力方式 | 希釈倍数 | 散布液量 | 農薬使用量 | 使用回数 | 収穫前日数 |
なし | 合計 | ― | ― | ◯ | ◯ | ◯ |
なし | 10aあたり | ― | ― | ◯ | ◯ | ◯ |
なし | 1株あたり | ― | ― | ✕ | ◯ | ◯ |
なし | 1箱あたり | ― | ― | ✕ | ◯ | ◯ |
あり | 合計 | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
あり | 10aあたり | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
実績登録の際に農薬制限アラートを表示させるときの注意
記録作成で複数の作付が選択されている場合、
農薬制限アラートを表示することができません。
農薬制限アラートを有効にしたい作業記録では、
単一の作付を選択しましょう。
以下のような選択を行った場合、農薬制限アラートは表示されません。
ケース1(複数作付・複数圃場の場合)
・コシヒカリ_2021 圃場A
・新之助_2021 圃場B
ケース2(複数作付・ひとつの圃場の場合)
・トマト_2021 畑C
・ナス_2021 畑C
ケース3(作期の異なる作付の場合)
・ほうれん草_2021_1期 畑D
・ほうれん草_2021_2期 畑E
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圃場ごとの農薬使用回数制限違反を一覧で管理
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