目的:収穫時、選別時などの段階別に収穫量を集計したい
【こんな課題が解決できます】
- 収穫直後から選別するまで収穫量や品質・規格がわからない
- 玄米検査後の等級別集計だけでなく、前段階でのくず米比率も管理したい
【こんな生産者にオススメ】
- 収量コンバインを持っている
- 収穫期間の長い作物を栽培している
- 収穫量改善に取り組む生産組織
計測タイミングに段階を設け、品質・規格別に収穫量を記録・集計できます。
『収穫直後』の収穫重量の記録だけではなく、
『乾燥・調整後』や『選果・選別後』の収穫量も細かに記録することが可能です。
この記事では作物の収穫実績を管理する方法をご案内します。
- アグリノートでできること
- 事前準備と操作手順
- つまづきやすいポイント
※サポートチームからのお願い
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アグリノートでできること
水稲の場合
1. 稲刈り時に収量コンバインで計測した籾の重量が10,000kg
2. 収穫当日に籾を乾燥機・籾摺り機にかけたら、以下のようになった
・600kgのフレコバッグ×15袋(9,000kg)の玄米
・100kgのくず米
3. 数日保管した後、検査場で玄米を検査に出したら、以下の結果が出た
・600kgのフレコンバック×12袋(7,200kg)が一等米
・600kgのフレコンバッグ×3袋(1,800kg)が二等米
適切に収穫記録を行うことで【記録を見る】画面の【収穫】タブで、
収穫直後 → 乾燥・脱穀後 → 検査後での重量を区分して管理・集計することが可能です。
※設定・記録方法は、後述の「つまづきやすいポイント」での設定レシピで解説します
野菜・果樹の場合
1. リンゴを収穫したらおよそ20kg入る収穫コンテナで25カゴ分(500kg)になった
2. 選別して、1箱5kg入る出荷箱に箱詰めしたら、以下のようになった
秀・L 30箱(150kg)
秀・M 20箱(100kg)
秀・S 4箱(20kg)
優・L 26箱(130kg)
優・M 16箱(80kg)
優・S 4箱(20kg)
適切に収穫記録を行うことで【記録を見る】画面の【収穫】タブで、
選別前と選別後の各規格を区分して管理・集計されます。
※設定・記録方法は、後述の「つまづきやすいポイント」での設定レシピで解説します
事前準備と操作手順
方針:把握すべき収穫量の計測タイミングと計測粒度について、経営視点で検討しましょう
<運用準備>
- 記録可能な収穫量計測のタイミングおよび品質・規格を定める
例1)収穫直後の収量コンバインによる籾重量、乾燥・脱穀後の玄米重量、検査後の規格別重量、精米後重量など
例2)収穫時の収穫カゴ数、出荷時の規格ごとの出荷箱数など - 記録単位のkg換算を定める
例1)フレコンバッグ=600kg、米用紙袋=30kg
例2)収穫カゴ=25kg、出荷箱=2kg - 記録可能な収穫量計測の粒度を定める
例)全圃場まとめて一括記録、地域毎圃場一括記録、収穫日毎圃場一括記録、圃場毎記録など
<運用確認>
- 記録作成者や記録作成のタイミングは適切か?
- 予定収量(予定収穫量)や記録で使用されている収穫量の単位は統一されているか?
- 収穫のタイミングに応じた適切な品質規格、単位が使用されているか?
<使用する機能イメージ>
作付設定を行いましょう
<ポイント>
- 必要に応じて、栽培計画>予定収量を設定しましょう
※モバイルアプリ版では設定することができません - 必要に応じて「作付グループ」を設定し、任意の作付をまとめましょう
参照:「ブラウザ版 基本設定01 作付」
参照:「ブラウザ版 基本設定01 作付(栽培計画:収穫・出荷)」
参照:「モバイル版 設定編 作付」
圃場と作付を関連付けしましょう
<ポイント>
- パソコンブラウザ版では、圃場設定、作付設定の両方から関連付けを行うことができます
- モバイルアプリ版では、圃場設定で関連付けを行うことができます
- 来年の作付を行うときは、新しい作付設定を追加し、既存の圃場に関連付けてください
収穫・出荷設定で、計測タイミングを設定しましょう
<ポイント>
- 後述の「つまづきやすいポイント」での設定レシピを参考に設定しましょう
- モバイルアプリ版では、収穫記録の作成・編集の際に、
計測タイミングの選択画面で、計測タイミングを追加することができます
(モバイルアプリ版では、計測タイミングの編集・削除はできません)
収穫・出荷設定で、品質・規格を設定しましょう
<ポイント>
- 後述の「つまづきやすいポイント」での設定レシピを参考に設定しましょう
- モバイルアプリ版では、収穫記録の作成・編集の際に、
品質・規格・数量の入力画面で、品質・規格を追加することができます
(モバイルアプリ版では、品質・規格の編集・削除はできません)
収穫・出荷設定で、単位を設定しましょう
<ポイント>
- 後述の「つまづきやすいポイント」での設定レシピを参考に設定しましょう
- 収穫量をkg単位で集計したい場合は、必ずkg換算式(1単位あたり重量)を設定しましょう
- モバイルアプリ版では、収穫記録の作成・編集の際に、
品質・規格・数量の入力画面で、単位を追加することができます
(モバイルアプリ版では、単位の編集・削除、kg換算式の設定はできません)
収穫記録を登録しましょう
<ポイント>
- 基本的に収穫記録ごとに収穫ロット番号を設定することができます
- 収穫ロット番号を空欄のまま登録すると、自動採番されます
- パソコンブラウザ版では、複数圃場を選択したときに、2つの方法で収穫量を記録できます
『合計量を単一記録に入力』
『圃場別の値を複数記録に入力』
参照:「ブラウザ版 記録編03 収穫記録」
参照:「モバイル版 記録編05 収穫記録」
オススメ:複数圃場の収穫量を2つの方法で入力できる
パソコンブラウザ版では、複数圃場を選択したときに、
2つの方法で収穫量を記録できます。
- 『合計量を単一記録に入力』
複数圃場の合計収穫量として入力できます。
集計時、圃場ごとの収穫量は面積を考慮して按分されます。
- 『圃場別の値を複数記録に入力』
圃場別に異なった数量を入力できます。
圃場ごとに別の記録として保存され、それぞれ収穫ロット番号が採番できます。
※モバイルアプリ版では、『合計量を単一記録に入力』のみとなります。
以上の操作で、前述の「アグリノートできること」の操作や情報閲覧ができるようになります。
つまづきやすいポイント
単位の設定レシピ
「kg」以外の単位で収穫記録を行い、「kg」で収穫量を集計したい場合は、
必ずkg換算式(1単位あたり重量)を設定しましょう。
内容量がkgで規定されている包装形態などを単位とする場合は、その重量で設定しましょう
・フレコンバッグ=600kg
・米用紙袋=30kg
内容量が個数で規定されている包装形態などを単位とする場合は、重量換算して設定しましょう。
・箱=5kg(リンゴ1個=約250g 1箱=20個入)
・パック=0.45kg(ニンジン1本=約150g 1パック=3本入り)
内容量が規定されている包装形態を複数種類取り扱っている場合は、
単位の選択間違いを防ぐために、その違いも単位にしましょう。
・フレコンバッグ(600kg用)=600kg
・フレコンバッグ(900kg用)=900kg
・米用紙袋(一般用)=30kg
・米用紙袋(贈答用)=5kg
・箱(スーパー用)=5kg
・箱(ネット販売用)=10kg
・小パック=0.45kg
・大パック=0.75kg
1個あたりの重さの異なる数種類の作物を取り扱っている場合は、
単位の選択間違いを防ぐために、作物名も単位にしましょう。
・リンゴ箱(秀・L)=5kg
・ぶどう箱(秀・L)=3.5kg
・パック(ニンジン3本)=0.45kg
・パック(ジャガイモ6個)=0.72kg
収穫時の利用する容器も、平均したおよその重量で設定しましょう。
収穫時の容器の数で収穫記録を入力することができます。
・収穫コンテナ(青)=20kg
・折り畳みコンテナ=15kg
・いちご用カゴ=1kg
計測タイミング、品質・規格の設定レシピ
計測のタイミングと品質・規格は、組み合わせて検討・設定しましょう。
オススメ:水稲の一例
稲刈り時に収量コンバインで籾の重量を測定する
・計測のタイミング:稲刈り
・品質・規格 :籾
乾燥・脱穀したら、玄米のフレコンバッグ数と、くず米の重量がわかる
・計測のタイミング:乾燥・脱穀後
・品質・規格 :玄米、くず米
玄米を検査に出したら、一等米、二等米の結果が出た
・計測のタイミング:検査後
・品質・規格 :一等米、二等米
オススメ:野菜・果樹の一例
リンゴの収穫時に収穫コンテナのカゴ数がわかる
・計測のタイミング:収穫
・品質・規格 :選別前
作業場で選別を行い、等級・サイズ別に出荷箱に詰めて、その箱数がわかる
・計測のタイミング:選果・選別
・品質・規格 :秀・L、秀・M、秀・S、優・L、優・M、優・S
上記の一例のまま、すべてのタイミングと品質・規格を登録する必要はありません。
現在の農作業で収穫量を確認しているものから始めましょう。
多段階の収穫記録のコツ
多段階の計測タイミングで、品質・規格別に収穫量を記録・集計するためには、コツが必要です。
水稲の収穫記録を例に説明します。
【1】稲刈り
ケース:収量コンバインで計測した籾の重量が10,000kgでした。
アグリノートでの操作:
収穫記録を新規作成する
・収穫日 :2021/09/15
・作付・圃場:コシヒカリ_2021・圃場A、圃場B、圃場C
・計測タイミング:稲刈り
収穫データ | ||
---|---|---|
品質・規格 | 数量 | |
籾 | 10,000 | kg |
【2】乾燥・脱穀
ケース:収穫当日に籾を乾燥機・籾摺り機にかけたら、以下のようになった
・600kgのフレコバッグ×15袋(9,000kg)の玄米
・100kgのくず米
アグリノートでの操作:
【1】で作成した収穫記録をコピーして、コピーした記録を以下のように値を変更する
・収穫日 :2021/09/15(そのまま)
・作付・圃場:コシヒカリ_2021・圃場A、圃場B、圃場C(そのまま)
・計測タイミング:稲刈り → 乾燥・脱穀後
収穫データ | ||
---|---|---|
品質・規格 | 数量 | |
籾 | 10,000 | kg |
収穫データ | ||
---|---|---|
品質・規格 | 数量 | |
玄米 | 15 | フレコン(600kg用) |
くず米 | 100 | kg |
【3】検査
ケース:数日保管した後、検査場で玄米を検査に出したら、以下の結果が出た
・600kgのフレコンバック×12袋(7,200kg)が一等米
・600kgのフレコンバッグ×3袋(1,800kg)が二等米
アグリノートでの操作:
【2】で作成した収穫記録をコピーして、コピーした記録を以下のように値を変更する
・収穫日 :2021/09/15 → 2021/09/17
・作付・圃場:コシヒカリ_2021・圃場A、圃場B、圃場C(そのまま)
・計測タイミング:乾燥・脱穀後 → 検査後
収穫データ | ||
---|---|---|
品質・規格 | 数量 | |
玄米 | 15 | フレコン(600kg用) |
くず米 | 100 | kg |
収穫データ | ||
---|---|---|
品質・規格 | 数量 | |
一等米 | 12 | フレコン(600kg用) |
二等米 | 3 | フレコン(600kg用) |
以上の操作を行うと、多段階の収穫記録をつけることが可能です。
ポイント:最初の収穫記録
最初の収穫記録では、対象の圃場を選択する必要があります。
どの圃場の収穫物かを把握できるようにしましょう。
収穫記録を登録したあとに、収穫ロット番号を収穫物にメモしておきましょう。
ポイント:2段階目以降の収穫記録
収穫物のメモにある収穫ロット番号を元に、
アグリノートで登録された前段階の収穫記録を確認します。
その収穫記録をコピーして、
「計測タイミング」「品質・規格」を変更し、
現段階の収穫量を入力し、記録と登録します。
オススメ:収穫ロット番号
収穫記録を登録すると収穫ロット番号を採番することができます。
空欄で登録すると、自動採番されます。
収穫記録をコピーすると、収穫ロット番号は同一のもので登録されますので、
同じ圃場・作付による収穫物は、同一の収穫ロット番号で管理することができます。
出力画面で収穫記録データで、収穫ロット番号で記録の絞り込みを行うことができます。
記録の漏れや重複がないか確認しましょう。
収量コンバインをご利用の方は農機連携機能も検討してみましょう
農機メーカーアプリやシステムと連携し、
農機の稼働内容をアグリノートに自動記録することが可能です。
収量コンバインでの収穫時のデータも収穫記録として自動記録することができます。
詳細や連携機種はこちらからご確認ください。
参照:「アグリノートとつながる農機連携」
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